犬にダニがつかない方法とは?原因・対処法について解説

犬の身体にひっそりと潜んでいることがある小さな生物の「ダニ」ですが、その身体はとても小さく愛犬を見ていてもすぐに気付かないことも多いです。
その気付かない間に犬に噛みつき、様々な病気を引き起こす可能性があります。ダニの種類によっては病気だけでなく死に至ってしまう場合もあり、たかがダニでしょうとあなどることはできません。
大切な愛犬を守るために、ダニのことについての知識や予防・駆除の仕方をしっかりと身につけておきましょう。
ダニ対策の重要性
「ダニ」は、主に動物の血液が栄養源であるため、私たち人間や犬などの動物へ寄生することで生きることができます。
寄生することにより発育・脱皮・産卵などのサイクルを行っています。またそのダニの種類も多く、よく聞くマダニだけでも20種類程度が犬に寄生することが分かっています。
では一体、ダニに咬まれるとどんな危険性があるのでしょうか。主に以下のような可能性があります。
・ダニが吸血をした場合・・貧血・病気を引き起こす可能性
・ダニの唾液がついた場合・・アレルギーを引き起こす可能性
・ダニが寄生した場合・・皮膚感染症を引き起こす可能性
ダニの種類によって、引き起こす症状は様々ですがダニによる病気の中には、命に関わる恐ろしい病気もありとても危険です。
そして愛犬にダニが寄生しているということは、そのダニが飼い主さんへも寄生する可能性があり、寄生した場合は病気になったり死亡した例も報告されています。ダニの予防は愛犬の健康だけでなく自分自身を守るものでもあるのです。
犬に寄生するダニとは?
それでは、ダニの種類にはどんなものがあるのでしょうか。主に危険性があるものは以下の通りです。
・マダニ
1番危険性が高いダニで様々な病気を引き起こす恐れがある。最悪の場合は死に至るものも
・ヒゼンダニ
0.2~0,4ミリの大きさでアレルギーやアトピーなどの皮膚炎などを引き起こす可能性があります。
・ニキビダニ
0.2〜0.3ミリの大きさでとても小さく見つけにくい。皮膚炎や脱毛等を引き起こす可能性があります。
・ツメダニ
大きな爪を持つダニ。全身のあらゆるところに寄生し主に大量のふけの症状を引き起こす可能性があります。
・耳ダニ
ヒゼンダニの一種で主に耳に寄生するヒゼンダニのことで強いかゆみが特徴です。主にこの上記5つが、犬になにかしらの影響を及ぼしてしまうダニです。
ダニに咬まれると、どのような症状が出るのでしょうか?
では、それぞれのダニに咬まれるとどんな症状が起こるのか詳しく見ていきましょう。
マダニ
マダニはダニの中でも1番危険なダニです。マダニが咬みつくことで貧血や皮膚炎を起こすだけでなく、いろんな病原体を媒介するダニであるため病気を引き起こす可能性があります。主な病気は以下のようなものがあります。
バベシア病・・・バベシア原虫が犬の赤血球に寄生して破壊することが原因です。
症状:貧血、食欲不振、発熱、血色素尿、衰弱 ひどい場合、黄疸や多臓器不全になり死に至る可能性あり
ライム病・・・ボレリア菌という菌が原因で起こり、人間にも感染する可能性がある病気です。
症状:食欲不振、発熱、神経症状、皮膚炎
日本紅斑熱・・・マダニが持っているリケッチアという病原体が原因です。
症状:発熱、全身の発疹(犬は無症状の場合もある)ひどい場合は死に至るケースもあり、また人間でも死に至るケースが報告させています。
重症熱性血小板減少症候群・・・マダニの寄生が原因で、感染した犬や人からもうつります。
症状:発熱、食欲不振、白血球減少、血小板減少(無症状の場合も多い)
Q熱・・・コクシエラという細菌が原因です。
症状:無症状の場合が多いがあっても、軽い発熱。妊娠した犬の感染は流産・死産の危険性人間が感染することもあるので要注意です。インフルエンザに似た症状が出ます。
マダニはとにかく厄介なダニで、一度咬みついてしまうと強固に固定をしてしまうためなかなか離れてくれないという特徴があります。
無理に離そうとすると皮膚が裂けたりダニの口器が残ったりして皮膚炎になったり化膿することもあるので注意が必要です。
ヒゼンダニ・耳ダニ
主に皮膚に寄生するダニです。あまり毛がないお腹に寄生することが多く、耳に寄生するものを耳ダニ(ミミヒゼンダニ)と言います。大きさも0.2~0.4mmで肉眼ではほとんど見えません。
このダニは皮膚の中にもぐりこんでどんどん穴を掘ってしまうため、強いかゆみの症状が出て皮膚炎を引き起こすことが特徴です。
ニキビダニ
別名「毛包虫」と言われているダニで大きさも0.2~0.3mmで小さいです。犬の毛包や皮脂にくっつきやすいダニで目の周りや口周り、前足の先の方に寄生します。ニキビダニが増殖すると脱毛やニキビのようなものができ、症状が進行してしまうと皮膚がただれてしまいます。
細菌などが原因で二次感染が起こると激しいかゆみを伴い放っておくと気管支炎や敗血症になり死に至る可能性もあります。
ツメダニ
大きな爪があるダニで、その爪で犬の皮膚にくっつき体液やリンパ液を吸って寄生します。症状としては大量のふけが出ることが特徴です。
その他にも激しいかゆみや皮膚のただれの症状が出ることもあります。特に子犬の時に寄生してしまうと症状が重くなる傾向があります。
ダニの予防法について
愛犬の健康のためにもダニの予防はどうしたら良いのか知っておきたいですよね。ダニの予防法は以下のようなものがあります。
・投薬
投薬(駆除薬)でダニの対策する方法です。駆除薬には様々な種類があり、皮膚に投与するもの・飲み薬・おやつ感覚のものなどがあります。
愛犬にあったもので定期的なチェック・投薬をしてあげましょう。
・ブラッシング
ブラッシングでもダニの予防をすることが可能です。特にお散歩などで外に出た際には必ず足を拭いたり洗ったりすることも重要ですが、その際に身体にダニなどがくっついていないかチェックすることと併せて、ブラッシングを行うことでダニから愛犬を守ってあげることができます。
こちらは毎日の習慣にすると予防効果は高くなるでしょう。
・犬用シャンプー
愛犬をダニから守るためには、お部屋の掃除をして環境を綺麗に保つことも重要なのですが愛犬の身体も清潔に保つことはとても大事です。理想は、週1でシャンプー、少なくとも月1はシャンプーを心がけて清潔を保ってあげるようにしましょう。
室内の掃除はもちろんですが、あまり目の届きにくいソファーの隙間やベットの下も綺麗にするように心がけたいものです。その他にもダニは熱に弱い生き物なので、愛犬のベットやソファーのクッションは熱湯で洗濯したのちに天日干しするとさらにダニ予防の効果があります。
犬からダニを取り除く方法
では、実際に愛犬の身体にダニを見つけてしまった時、ダニの取り方はどうしたら良いのでしょうか。以下で解説していくます!
・細いピンセットを使って取る
消毒をした細いピンセットを使い、ゆっくりと上に持ち上げながら取り除きます。ダニを取り除く専用のピンセットも販売されているため常備しておくと安心です。ダニには酢の匂いを苦手とするので酢を使うのも有効です。
たっぷりと酢を含ませたコットンをダニにかぶせてしばらく置いておくと(10分程度)ダニがはずれるので優しく引っ張り取るようにしてください。力をいれて引っ張るとダニがつぶれたり、口が残ったりする可能性があるのでやめましょう。
・病院へ連れていく
やはりなによりこれが1番の対処法です。適切な取り方をする自信がなければ、早急に病院へ連れていき獣医師さんに診療、取り除いてもらうことが1番なので無理はせず病院に頼るようにしましょう。
自分で取り除く作業をするときは必ずゴム手袋などを使用し、取り除いた後は手を石鹸で洗い、アルコール消毒もするようにしましょう。
まとめ
愛犬をダニから守るには、毎日のケアがとても大切です。ダニは犬にとっても人間にとっても、案外身近なものなので油断は大敵です。
特にマダニに関しては、病気を媒介し最悪の場合死に至るケースもあるので甘くみることはできません。マダニ以外のダニは小さく、知らない間に放っておき、症状がどんどん悪化するケースもあります。
小さい身体の生物なのに愛犬や私たちの健康を脅かす恐ろしい存在ですよね。以上のことから言えるのは、とにかくダニを寄せ付けないことが1番なので、日ごろからダニ予防や清潔を心がけて愛犬も自分自身も守りましょう。