犬の急性胃腸炎とは?症状・治療法について解説

犬の急性胃腸炎は、何の前触れもなく下痢や嘔吐が起こるという疾患です。
愛犬が急性胃腸炎になってしまったら心配ですよね。
今回はそんな犬の病気、急性胃腸炎について解説します。
犬の急性胃腸炎についての概要
犬の急性胃腸炎の概要は、一過性の胃腸炎で、何の前触れもなく下痢や嘔吐が起こるという疾患です。
胃炎の場合には主に嘔吐が、腸炎だと主に下痢が起こるという特徴があります。
急性胃腸炎を引き起こす原因の1つ目は、細菌感染です。
お散歩に行った時に外で拾い食いをする習慣があったり、生ごみを漁ったりすると、悪くなった食品に付着している細菌が体内で増殖し、急性胃腸炎を引き起こすことがあります。
わんちゃんが口にするものについて、お散歩中も含めて飼い主が注意していれば、この原因はある程度予防できるでしょう。
急性胃腸炎を引き起こす細菌には、クロストリジウムやカンピロバクター、サルモネラなどがあります。
また、コロナウイルスやジステンバーウイルスなどが原因となるケースもあれば、回虫やトリコモナスのような寄生虫が原因になることもあります。
2つ目の原因は、ストレスです。
ペットホテルに預けられるなど環境が変わると、わんちゃんの体には大きな負担がかかります。
そのストレスが引き金となって、下痢を起こしてしまうことは少なくありません。
3つ目の原因は、食生活の急激な変化や過敏症が挙げられます。
ドッグフードを急に変えるとか、わんちゃんの嫌いな食事を強制的に食べさせようとすると、急性胃腸炎を発症してしまうことがあります。
2.急性胃腸炎の症状は多種多様
急性胃腸炎を起こすと、わんちゃんに突然、嘔吐や下痢が起こります。
それに伴って食欲がなくなり、水もご飯も摂らなくなることが多いです。
元気がなくなり、ずっとうずくまってグッタリしているという症状が起こることも珍しくありません。
急性胃腸炎による嘔吐や下痢は、持続的に起こることもあれば、間隔を空けて起こることもあります。
軽症の場合には下痢や嘔吐が頻繁に起こらず、元気で食欲もあることが多いです。
重度の急性胃腸炎では、血便が出たり、嘔吐に血が混ざったり、吐血をすることもあるので、注意が必要です。
激しい腹痛が起こることも珍しくなく、わんちゃんはグッタリしたり、前足を伸ばして腰を上げるような体勢をしたり、痛みをこらえることが多くなります。
その場合には速やかに獣医の診察を受け、適切な治療を行うことで、わんちゃんの苦痛を取りのぞきましょう。
3.急性胃腸炎は予防できる?
急性胃腸炎を完全に予防することは難しいかもしれませんが、飼い主がある程度気を付けることで予防できることはたくさんあります。
例えば、お散歩の途中でも、わんちゃんが生ごみを漁ったり、道に落ちている知らないものを食べたりさせないようにしましょう。
また、わんちゃんの心のケアをすることも、急性胃腸炎の予防策です。
わんちゃんにストレスがかかりやすいことはできるだけ避けるように心がけ、快適に暮らせる毎日を提供しましょう。
もしもお留守番が多くてワンちゃんのストレスが大きくなる場合には、在宅中には遊ぶ時間を増やすとか、お散歩の時間を長くしてわんちゃんの気分転換をするなど、工夫することでワンちゃんの心のケアができます。
また、人間のドライブや旅行にわんちゃんを同行させることは、むしろストレスとなってしまう可能性があります。
わんちゃんのストレスを考えた上で同行させるかどうかを考えましょう。
4.重度の急性胃腸炎は治療が必要!どんな治療法がある?
軽度の急性胃腸炎は、家庭で様子を見ていても自然治癒することが多いものです。
しかし、重度になると、わんちゃんにとっては苦痛ですし、病院で治療を受ける必要があります。
多くは病院で治療を受けると数日で回復できるため、もしも家庭で様子を見ていても症状が治まらない場合やひどくなる場合には、速やかに獣医の診察を受けてください。
急性胃腸炎の治療法は、主に皮下点滴による輸液療法や、制酸剤を使って胃液の分泌を抑える療法が行われます。
その他、体内に残存している細菌やウイルスを排出するために、消化管運動促進剤などが投与されることもあります。
また、下痢や嘔吐が続くと脱水症状が起きてしまうため、下痢止め剤や制吐剤も処方されます。
5.軽症なら様子見も
急性胃腸炎は一過性のもので、軽度なら数日で自然治癒できます。
しかし、重度の場合にはわんちゃんにとっては苦痛なので、病院で適切な治療を受けましょう。
基本的には通院で治療でき、注射や点滴によって嘔吐や下痢が止まれば、後は内用薬で迅速に回復できます。